海外取引の基本用語解説シリーズ
- J-Biz GmbH
- 7月9日
- 読了時間: 3分
~輸出入ビジネスで知っておくべき重要ワードをわかりやすく解説~

はじめに
海外取引を始めるにあたって、まずは基本用語の理解が不可欠です。用語の意味を正しく理解しないと、契約や書類作成、交渉でトラブルの元になります。本記事では、輸出入に欠かせない代表的な基本用語をピックアップし、わかりやすく解説します。さらに、用語同士の関係を図解で示し、イメージしやすい内容にしました。
1. インボイス(Invoice)
意味と役割
インボイスは「商業送り状」とも呼ばれ、売り手が買い手に発行する取引明細書です。商品名、数量、単価、合計金額、取引条件などが記載されます。輸出入手続きの際に税関に提出し、関税計算の根拠になる重要書類です。
ポイント
取引の証明書
支払いや税関手続きに必要
正確な記載がトラブル防止の鍵
2. パッキングリスト(Packing List)
意味と役割
梱包内容を詳細に記した書類で、どの商品がどの箱に入っているか、重量やサイズも記載します。輸送業者や受取人が貨物を確認する際に使います。
ポイント
梱包の中身を正確に示す
物流管理やトラブル対応に必須
インボイスと内容を合わせることが重要
3. インコタームズ(Incoterms)
意味と役割
国際商工会議所(ICC)が定める国際貿易の取引条件のルールです。FOB、CIF、DAPなど様々な種類があり、商品の引き渡し地点や費用負担、リスク移転のタイミングを明確にします。
主な種類と意味
用語 | 意味・特徴 |
FOB | Free On Board:本船渡し。売り手が本船まで責任負う。 |
CIF | Cost, Insurance, Freight:運賃・保険料込みの価格。 |
DAP | Delivered At Place:指定場所持込渡し。買い手負担開始。 |
ポイント
責任と費用の負担範囲を明確にする
契約書に必ず記載する必要あり
4. 輸出入許可証(Export/Import License)
意味と役割
特定の商品を輸出入する際に必要な許可書。国や商品によって取得が義務付けられており、法律に基づく規制の一環です。
ポイント
規制対象商品は必ず確認
許可なしで輸出入すると罰則あり
5. 海外取引の関税(Customs Duty)
意味と役割
輸入時にかかる税金で、商品の種類や価格、原産地によって税率が異なります。税関で課され、国の財政収入源のひとつです。
ポイント
インボイスの金額が課税ベース
税率は国ごとに異なる
6. 原産地証明書(Certificate of Origin)
意味と役割
商品の製造国を証明する書類で、関税率の適用やFTA利用時に必要です。輸出者または公的機関が発行します。
ポイント
原産地が関税に大きく影響
正確な申告が不可欠
7. その他の重要用語
用語 | 意味・用途 |
B/L (Bill of Lading) | 船荷証券。貨物の受取証明書で、所有権の証明にもなる。 |
L/C (Letter of Credit) | 信用状。銀行が支払いを保証する取引手段。 |
HSコード | 国際的に統一された商品分類番号。関税や統計に利用される。 |
FOB価格 | FOB条件の価格。商品の船積みまでの費用を含む価格。 |
用語関係の図解イメージ案
[売り手] --(インボイス発行)--> [買い手]
│ │
│ 支払い請求
│ ↓
[貨物梱包] --(パッキングリスト)--> [運送会社] --(B/L発行)--> [買い手]
契約条件は「インコタームズ」で明示
輸入時には「原産地証明書」「輸入許可証」や「関税」が関わる
支払いは「L/C」などで保証されることも
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[売り手] --(インボイス発行)--> [買い手] │ │ │ 支払い請求 │ ↓ [貨物梱包] --(パッキングリスト)--> [運送会社] --(B/L発行)--> [買い手] 契約条件は「インコタームズ」で明示 輸入時には「原産地証明書」「輸入許可証」や「関税」が関わる 支払いは「L/C」などで保証されることも・・・
まとめ
海外取引には様々な専門用語があり、それぞれに役割と意味があります。これらの基本用語を正しく理解し使いこなすことが、スムーズな取引とトラブル防止に繋がります。特に書類の正確な作成や契約条件の確認は重要です。
本記事で紹介した用語をベースに、より実践的な知識を積み重ねていきましょう。
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