欧米のファッションブランドが日本市場に着地するときには、日本での現地登録が必要だったのはひと昔のこと。ファッションブランドの企業名を検索すると○○ジャパンなどといった日本法人でした。
最近では、オンラインの世界が活発化してきて、そろそろ人間の手を離れようとまでしています。
しかし、ファッション業界におけるブランディングやマーケティングは人道的に行うしかないのです。
アパレルブランドなどは、オンラインは一つの手段として利用するだけで、実際には未だ足を運んで店頭の状況を把握しておく必要もあります。
ファッションという括りだけでも、ストリートファッション、古着ファッション、スポーツブランド系ファッション、そして今では韓国ファッションなどもカテゴリーに加えられています。ファッションブログなどを読んでいて、特に目立つのはスポーツブランドとセレブのコラボレーション。金額が高額であるのにも関わらず飛ぶように売れるのはなぜなのでしょうか?
コラボレーションすればなんでも売れるのか?
一昔前で言えば、ヒルトン一族の着ているファッションブランドが飛ぶように日本で売れていました。
しかし、ヒルトン一族とのファッションコラボ商品が売れたとは聞いたことがありません。
コラボ商品として飛ぶように売れるのは、コラボ先がターゲット層が絞られている ”ヒーロまたはヒロイン的存在” でないといけないからです。
ヒルトン姉妹は、今でいうファッションインフルエンサー的存在だったのです。
インフルエンサー
一昔前は、ファッションスタイリストがレンタルしてきた商品を、ファッション雑誌がクローズアップするだけで商品は売れていました。
実際に、同類の靴のモデルでも、雑誌に掲載されていたものと、そうでないものの売上比は50%超えの違いがありました。それも、大きく見開きに掲載されているわけではなく、特集ページの端の方に商品と金額が掲載されているという、小さな枠です。それでも売上の差の幅は大きく異なっていました。
つい最近までは、売れると言われているものに対して
ファッションブランド×セレブコラボ×インフルエンサー=売れる
という方程式が出来上がっていました。衣類に投資する年代、いわゆるソーシャルメディア世代にはこれが効果的だったのです。
しかし、今ではそうではなくレディースファッションやキッズファッションなどのオンラインショップのページのヘッド部分にバナーを掲載することで、商品のPRと販売が同時に行え尚且つ、自サイトへの集客も見込めるウィンウィン商法が注目され始めています。
アウトドアファッションであれば、キャンプ用品店のオンラインショップやノウハウページ、ママファッションであれば子育て関連のページやオンラインショップなど、ターゲット像が1点に絞られているWebの方がブランドが流通しやすいのです。
なぜそこまで、ライバルになるかもしれないだろう、競合のファッション関連オンラインショップで、ファッションブランディングを図るのでしょうか?
これにはファッションメディアの媒体費用の高騰が関係しています。
値上がりする媒体費
海外より日本向け市場への着地を目的として、日本国内の出版社あるいはファッションメデイァへのコンタクトが多い中、媒体費は5年前と比べると少し上がり気味なように伺えます。
プリント紙での情報収集よりも、オンラインでの情報収集が生活の中で通常化しているからであると言えます。
海外の顧客は、日本の媒体費を聞いていつも驚きますが、確かに高額。欧米では、有名どころのメディア例えばDR90越えのメディアにおいても100万円前後。これが日本の市場となると0が一つ多くなってしまうこともあり、よく顧客にびっくりされることがあります。
海外のファッションブランドが日本のメディアに求めるのは最低ラインでDR25+、媒体費無料いわゆるゲストポスト、もしくは上限で5万円ほど。そしてDR50以上を目指す海外ブランドにおいては、予算として30万前後のところがほとんどです。
が、実際に日本のファッションメディアが提供している価格は、30万円〜100万円となっています。これがDR70を超えてくると、さらにその倍額になるところも少なくありません。
価格を抑えるコツ
海外よりオンラインでファッションブランドを日本に着地させるために、最初は誰もが日本語が堪能なスタッフを雇用しがちです。しかし、日本は特殊市場で礼儀や、作法、プレゼンの持ち込み方、コミュニケーション法なども欧米とは異なるため、これでは業績は伸びません。日本市場へ腰を据えるのであれば、やはりネィティブでないと対応がしきれないといったところです。
反対に、日本から欧米へファッションブランドを着地させるのは、少し簡単なようにも思えます。
日本のファッションと海外ファッション
直球で言うと、全く異なります。売れ筋も変わってくるはずです。これには各国の気候や文化なども交わっていて、海外ではスポーツメーカーとスポーツプレーヤーたちのコラボレーションが売れ筋のようです。
先日、日本へ足を運んだときに驚いたのですが、欧米では6万円ほどで取引されているスポーツシューズが日本市場では2万円前後で販売されていますよね。
これがオンラインショップが主流になり始めた当時であれば、並行輸入品としてオンラインで販売もできただろうな・・・とそのとき一瞬頭をよぎりました。
オンラインであれば可能なビジネスだからです。
ファッションは今や、オンラインなしでは生き延びていけないとまで言えるようになってきたといても過言ではありません。
今から海外へ自社ブランドを欧米諸国へ着地していきたいと思われているメーカー様、まずはゴール地のファッション関連のオンラインショップへ足を入れ込んではいかがでしょうか?そうすることで、現地ファッショントレンドなども伝えてくれる担当者に出会えたりと、先につながるファッションビジネスが運べるようになると言えます。
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